漢方薬
漢方薬とは、鍼灸や養生といった東洋医学の1部で、誰もがもともと持っている自然治癒力を高め身体を整えるためにいくつもの生薬(植物や動物・鉱物など自然界にあるものをそのまま使う薬)を組み合わせた処方です。
多様な原因を総合的に分析して、その方の体質や症状に合った組み合わせを作ります。
その分析には、生まれ持った体質的なことや、ストレス状況、生活環境や、食生活の条件、過去にかかった病気なども参考にしていきます。
東洋医学では病気を局所でみていくのではなく、総合的に判断していくことで病気になった体の本質を治療していくものです。
女性がかかりやすい疾患(症状)にも多くの漢方薬が処方されています。
ここでは、主だった症状別に主だったものをご紹介します。
虚証 | 手足の冷え、腰痛、下腹部痛 | ⇒当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ) |
冷え、肩こり、頭痛、めまい | ⇒当帰芍薬散 (トウキシャクヤクサン) |
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頭痛、げっぷ、みぞおちのつかえ感 | ⇒呉茱萸湯 (ゴシュユトウ) |
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冷え、腰痛 | ⇒当帰建中湯 (トウキケンチュウトウ) |
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胃腸が弱い、食欲不振 | ⇒安中散 (アンチュウサン) |
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中間証 | イライラ、のぼせ、肩こり | ⇒加味逍遙散 (カミショウヨウサン) |
強い下腹部痛、こむら返り | ⇒芍薬甘草湯 (シャクヤクカンゾウトウ) |
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のぼせ、肩こり、便秘 | ⇒桂枝茯苓丸 (ケイシブクリョウガン) |
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実証 | 便秘、のぼせ、肩こり | 桃核承気湯 (トウカクジョウキトウ) |
便秘、下腹部痛 | ⇒大黄牡丹皮湯 (ダイオウボタンヒトウ) |
☆漢方において【当帰】とうきは臨床で頻用される婦人科の主薬です
虚証 | 強い冷え、しもやけ、腰痛 | ⇒当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ) |
皮膚が水っぽい、冷え、肩こり 頭重感、めまい、貧血 | ⇒当帰芍薬散 (トウキシャクヤクサン) |
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手足のほてり、口唇や指先の乾燥 下腹部膨満感 | ⇒温経湯 (ウンケイトウ) |
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肩こり、腹痛、冷えとのぼせ 便秘、不眠、イライラ、神経質 | ⇒加味逍遙散 (カミショウヨウサン) |
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中間証 | 皮膚の乾燥、高血圧、不眠 イライラ | ⇒温清飲 (ウンセイイン) |
めまい、不眠、落ち込みやすい | ⇒女神散 (ニョシンサン) |
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発汗、強い肩こり | 桂枝茯苓丸 (ケイシブクリョウガン) |
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実証 | 顔ののぼせ、ほてりが強い | ⇒黄連解毒湯 (オウレンゲドクトウ) |
便秘、興奮、イライラが強い | ⇒桃核承気湯 (トウカクジョウキトウ) |
虚証 | 顔色が悪い、疲れやすい、下腹部痛、頭痛、月経痛 | ⇒当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ) |
手足のほてり、月経不順 | ⇒温経湯 (ウンケイトウ) |
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下腹部痛、頭痛、めまい、疲れやすい | ⇒当帰芍薬散 (トウキシャクヤクサン) |
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中間証 | めまい、フラフラする、下痢、腹痛 | ⇒真武湯 (シンブツウ) |
冷え、のぼせ、肩こり、便秘 | ⇒加味逍遙散 (カミショウヨウサン) |
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下半身の冷え、上半身ののぼせ | ⇒五積散 (ゴシャクサン) |
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実証 | のぼせ、肩こり、下腹部痛 | ⇒桂枝茯苓丸 (ケイシブクリョウガン) |
便秘、のぼせ、肩こり、不安感、不眠 | ⇒桃核承気湯 (トウカクジョウキトウ) |