子宮頚がん
子宮頚がんは扁平上皮がんと線がんにわけられますが、この疾患にほとんどが、扁平上皮がんです。
扁平上皮がんは、子宮の膣部びらん部とよばれる場所に発生するがんです。
子宮膣部びらんというのは、子宮の粘膜の表面がただれたように赤く見える場所で病的なものではなく、成熟女性にみられる粘膜の変化によっておこるものです。
この膣部びらんという場所に、重曹扁平上皮と円柱上皮という2種類の異なる粘膜があります。この2種類の粘膜の境目が乱されることで癌が発生します。
原因は多様ですが、男性性器に含まれているというウィルスが性交によって感染し、癌を引き起こすといわれています。
早期のうちに性交を経験された方や、多くの人と性交経験のある方、中絶経験のある方、分娩回数の多い方などの発症が高いようです。
(症状)
初期の頃は、特に目立った症状がありませんが、癌が浸透してくると、不正出血・下腹部痛・血液の混入したおりものが出るなどの症状が現れてきます。
0期 |
初期段階。 粘膜の一番上にある上皮のみに癌が発生している状態。 上皮ガンとも呼ばれる。 この段階で発見されれば、子宮の摘出のみで100%治癒します。 |
1期 |
一番上の粘膜だけでなく、粘膜の奥にも浸潤し始めた状態。 早期浸潤ガンとも呼ばれます。 子宮とその周辺の組織・リンパ節を摘出します。 5年生存率・・・87% |
2期 |
癌が子宮頚だけでなく、膣の一部や子宮の周辺の組織に浸潤し状態。 子宮とその周辺の組織・リンパ節・膣の一部を摘出。 5年生存率・・・67% |
3期 |
癌が膣の下方や骨盤壁に浸潤した状態。 子宮とその周辺の組織。リンパ節。膣の一部を摘出しても、治癒が難しい。 抗がん剤・放射線治療を併用。 5年生存率・・・39.2% |
4期 |
癌が膀胱や直腸にまで浸潤した状態。 がん細胞が全身に転位している可能性が高い。 手術は行わず、抗がん剤・放射線治療を行う。 5年生存率・・・12.2% |
このように、早期発見で100%に近い治癒が可能なので、年に1度は定期的に子宮がん検診を受けましょう。